第7章 良かった、って
「……」
…んん?!
コタちゃん?!
今、確かにコタちゃんの声だったわよね!?
しかも、私エントランス開けちゃった?!
「やばいっ」
閉めたばかりの寝室のドアを勢いよく開けた。
― ピンポーン
…ああ、終わった。
「カスミンー。開けてー!」
ドアの向こう側から聞こえてくる声。
私、今起きたばかりで、顔も洗ってないんですけど。
だが、このまま外で騒がれても近所迷惑だ。
私は観念し、ため息をつきながら、玄関のドアを開けた。
「おはよう、華澄ちゃん」
「何だよ、寝起きか?」
「……」
あららら?
コタちゃんの他にまだ二人の影が見えるのは気のせいかしら?
ドアを開けた私の目の前には、普段の制服や練習着とは異なる私服のコタちゃん、レオ姉、永ちゃんの姿。