第7章 良かった、って
そうなのだ。
再来週、二年生は北海道に四泊五日の修学旅行へ行ってしまう。
学校側もIH直前という大事な時に、よくもまあ修学旅行をぶち込んでくれたな、と眉間に皺を寄せるしかない。
「期末考査か」
既にお昼を食べ終え、読書を始めていた黛さんが問いかける。
「ああ。本来ならば、今はテスト期間中で部活は停止すべき時だ。だが、僕たちはIHを控えている、という理由から特別に許可をもらって練習している」
「だったら練習しようぜ」
征十郎の言葉の途中で永ちゃんが口を挟んでしまい、征十郎は彼を少し睨みながら続けた。
「お前たちがいくらIHを控えた才能ある選手だろうが、本分は学生だ。それに、勉強を疎かにしているような奴がうちの部にいてもらっても困る。一日だけではあるが、試験勉強のための時間を設ける」
ここ洛山高校は、バスケの強豪校であると同時に、有名難関進学校でもある。
そのため、定期考査のテストはかなり難易度の高い問題が出題される。