第6章 ありえませんよ
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「華澄ちゃん!もう大丈夫なの!?」
部活の時間になり、私が体育館に顔を出すと、ストレッチを始めていたレオ姉が心配そうな顔をして、私の元へ駆け寄ってくる。
「ご心配をおかけしました。もう平気です」
「平気でも無理しちゃダメよ?」
レオ姉と話していると、少し遅れてコタちゃんと永ちゃんも体育館へ入ってくる。
「おう、藍川。もう大丈夫なのかよ」
「ビックリしたよ?顔面で受けるなんて思わなかったし」
「折角練習に付き合ってもらってたのに、すみません。もう大丈夫です」
私がいつものように微笑めば、三人は安心したように笑い返してくれた。
「でも残念です。レオ姉たちの試合も見たかったですし…」
「そんなの来年、いくらでも見せてあげるわ!」
「にしてもさー」
私が残念がっていると、レオ姉は優しい笑みを見せてくれる。