第6章 ありえませんよ
そんな中、試合は開始される。
私は練習の成果を発揮し、活躍こそはしないが、足を引っ張らない程度に貢献した。
更には、”高嶺の華”ともあろう私を狙ってくる人が対戦チームに誰一人いなかったこともあり、私は絶好調だ。
…と、油断していた時だった。
「っ」
「藍川さん?!」
向こうのアタッカーが打ち込んできたアタックを顔面で受けてしまった。
「え、嘘…ど、ど、ど、どうしよう!?”高嶺の華”に当てちゃった!!」
「藍川さん、しっかりして!」
周囲がざわつく音を聞きながら、私は意識を手放してしまった。