第6章 ありえませんよ
「なーなー、赤司とカスミンはクラス一緒なんでしょ?カスミンはバレーとして、赤司はどっちにでんの?」
片づけている最中にコタちゃんは征十郎に問いかける。
「勿論僕はどちらにも出るよ」
「えぇ?!まじで?!」
「あら、じゃあどこかで当たるかもしれないわね」
「ぜってぇ負けねーぞ?」
「楽しみにしているよ」
征十郎が負けるなんて想像もつかないし、いくら一年生だと言っても私の中では、自分のクラスの総合優勝は確信している。
なんせあの征十郎がいるのだから。
ちなみにレオ姉はバレー選択で、コタちゃんと永ちゃんはサッカー選択らしい。
黛さんは面倒くさそうにして教えてくれなかった。
…ちっ。
そうして迎えた翌日の球技大会当日。
「私頑張るわね。練習の成果を見ててちょうだい」
「怪我だけはするなよ」
体操服に着替えた私と征十郎は、体育館へ続く廊下を並んで歩いていた。