第2章 想いを馳せて
後に鳥羽伏見の戦いと呼ばれる戦が始まった。
戦に参加しない一般の者達にも、今回の戦がこれまでとは別物であると思い知らせれる。
音が違うのだ。
刀同士がぶつかる金属音。それとは別に銃声が何度もこだまする。
怖い。怖い。怖い。
どこかで子供の泣き声が聞こえる。
戦場でも、仲間との今生の別れを惜しむ言葉が零れる。
死や別れ。その先には、この時代の終わりが見えてくる。
まだ遠く。しかし着実に近づく時代の終わり。
新しくやってくる時代。
それが平和であればと大半の者が望むだろう。
これはある人ならざる少女のお話。