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希望の果てにあるものは

第13章 再会


体を起こしてみんなに尋ねる。


「……それで、どうして真琴がこんなところに……。それに津山さんとシロさんまで。あと、なんで私は生きて……」

「ああ、それは……」

「あのね、あたしも誘拐されたんだ」


津山さんが何か言おうとしていたが、それを真琴が遮った。


「……おい」

「うるさい。蒼に近づくな」

「あー……津山さん、すみません。真琴に説明してもらうので……」

「蒼……!」


嬉しそうに再度抱きついてくる真琴をなんとか引き離し、話を聞く。

真琴は私が誘拐された次の日に同じく誘拐されたそうだ。
いつも私は真琴と学校へ行くのだが、待ち合わせ場所に来ない私を心配した真琴が私を探している最中に誘拐されてしまったらしい。
心配してくれたのは嬉しかったが、私が誘拐されたせいで真琴まで巻き込まれてしまったということに罪悪感を覚えた。だが、真琴は気にしていないと言う。


「蒼が無事ならあたしはそれでいいよ」


真琴はそう言ってくれた。
幼馴染みで、親友でもある彼女。
両親と同じくらい会いたいと思っていた彼女に会えて嬉しい。
けど、こんな場所で再会することなど望んでいなかった。
こんなところで会うくらいなら……ずっと会えない方がよかった。
彼女が私の無事を願ってくれているように、私も真琴の無事を、幸せを、願っているのだから。

真琴もどこかの檻の中で目覚めたようで、わけもわからず歩き回り、偶然見つけた武器で【Failure】を倒しながら出口を探していたら、津山さんとシロさんに出会ったそうだ。それで、嫌々ながら同行することになったと。


「あの黒髪と白髪と歩いてたら、小さい方の黒髪が蒼を背負って化け物から逃げてるのを見つけて……」


黒髪が津山さんで、白髪がシロさんで、小さい方の黒髪が健斗君らしい。
真琴は相変わらず人の名前を覚えるのが嫌いなようだ。
いや、覚える必要がないと思っているのだろう。


(健斗君は私のこと置いていかなかったんだ……)


置いていってほしいと、【Failure】が私に気をとられている間に少しでも遠くへ逃げてほしいと思っていたのに。
見捨てられなくてよかった、嬉しかったと思う自分が、確かにいた。

 
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