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希望の果てにあるものは

第6章 白い青年


あんなに嫌そうにしていたのに、何やらシロさんと話をした後、津山さんはなぜかあっさりとシロさんの同行を許可してくれた。
例によって『勝手にしろ』と言われただけだが。
なんとしてでも説得するつもりだったが、まあよかった。


「この目つき悪い人が津山透さんで、この無害そうな子が香月健斗君」

「誰が目つき悪い人だ」

「無害そうって……」

「よろしく。透、健斗」


シロさんに二人の紹介をし、私たちは探索を再開した。
化け物たちを倒すのは相変わらず津山さんの役目となっている。
シロさんは化け物を見てもあまり驚いていなかった。
まあ、シロさんが大声を出して驚くところなんていまいち想像できないが。

津山さんは全て一撃で倒しているとはいえ、弾数は有限だ。
最後に銃弾を手に入れたのはまだ私と津山さんしかいなかった時。
逆に言うと、それ以来一度も銃弾を手に入れていないということだ。
さすがにもうあまり残っていない気がするが、大丈夫なのだろうか……。
ナイフや手榴弾があるとはいえ、少々不安だ。
特にナイフなんて、化け物にかなり近づかなければ刺すことができない。
投げて使うなら話は別だが、一本しかないのだ。大事に使わねば……。


「って、津山さん? 何してるんですか」

「死にたくなければ下がってろ」

「あ、はい。わかりました……健斗君、シロさん、下がってよう」


壁に背中をつけて銃を構える津山さん。
視線の先には扉がある。
扉のプレートはやはり汚れているが、ギリギリ読めるような気が……。


(石……九、室? いや、もしかして【研究室】……?)


牢屋があることから、ここは刑務所だと思っていた。
けど刑務所には研究室なんてものない、と思う。たぶん。
刑務所に入ったことなどないため詳しくはわからないが、普通はないはず。
だとしたらここはなんなんだ。もう使われていない研究所とかか……?


「……よし、いないな……」


扉を開けて中に何もいないことを確認した津山さんは部屋に入っていった。
健斗君とシロさんは私が動き出すのを待っている。
別に自由にしてもらって構わないのだが……まあいいか。


「私たちも行こう」


二人にそう告げて、私も入室した。

 
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