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希望の果てにあるものは

第5章 違和感


「あー、疲れたー……」


床はホコリが溜まって汚れているが文句は言えない。
疲労が蓄積されていたこともあり、私は床に直接腰を下ろした。
壁にもたれかかってぐったりとしている私の隣に健斗君も座り込む。
津山さんはそれほど疲れていないのか、休むことなく部屋を物色していた。

津山さんが見つけた小部屋。
扉に部屋の名前が書かれていたと思われるプレートがあったが、汚れていて読めなかったのでこの部屋がどういう使われ方をしていたかはわからない。
ただ、ここにも最初に見つけた部屋ほどではないがダンボール箱がいくつか無造作に置かれていたため、この部屋は物置部屋である可能性が高い。
津山さんの顔からして、めぼしいものはないようだが……。


「あれだけ歩いてて、津山さんはよく疲れないね……」

「……実は、僕もあんまり……ううん、全然疲れてないんだよね」

「え、健斗君も? ……私の体力が少ないだけなのかな……」


あるいは二人の体力が桁外れなのか。
まあどちらにせよ、現時点で私が一番足手まといとなっている。
早く体力を回復して動けるようにならなければ。


「なんだか、おかしいんだ」

「おかしいって?」

「普段の僕ならもう一歩も動けなくなっててもおかしくないのに……。それにお腹もへらないし喉も渇かないし、その……トイレに行きたいとも思わなくて……僕の体、どうなってるんだろ……」

「言われてみれば、たしかに……」


健斗君と同じように私もお腹はまったくへっていないし、喉も渇かない。
飲食していないにしてもこんなに長時間催さないのも不思議だ。
なぜ、今までこんなおかしなことに気づかなかったのだろう。

 
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