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希望の果てにあるものは

第3章 探索


「篠塚」

「はい?」

「やる」


津山さんが私に差し出したのは化け物を殺したあの銃。
これがあれば自分の身を自分で守ることができる。
津山さんのように上手く使えるかはわからないが、気休めにはなるだろう。
私は津山さんの手にある銃を受け取ろうと手を伸ばした。


「――――だから、もうオレにつきまとうな」


ぴたり、と銃に触れようとしていた手が止まる。


「つきまとうなって……」

「言葉通りだ。ついてくるな、邪魔なんだよ」


面倒そうに言う津山さん。
この言葉は思ったよりも私にショックを与えた。
宙で止まっていた手をだらりと力なく下ろして顔を伏せる。

津山さんの言うことはもっともだ。
私が津山さんのためにしてあげられたことなんて片付けくらいしかない。
彼にとって私は邪魔なお荷物でしかない。私にだって自覚はある。

だからこそ、私は武器が欲しい。
自身を守るためだけでなく、津山さんの手助けができるように。
なのに武器を受け取ったら津山さんから離れなければいけないなんて……。


「……じゃあ、いりません」

「……はぁ?」

「武器持ってこんなとこ一人でうろつくことになるくらいなら武器を持たずに津山さんについていくって言ってるんです」

「オレは迷惑だって……」

「なら武器くださいよ。そうすれば多少は手助けできるでしょう」

「っ、だからやるからどっか行けって言ってるだろ!」

「行きません! 永遠にまとわりついてやる!!」


永遠にというかここから出られるまで。
私がそう言い直すと、津山さんは呆れたとばかりにため息をついた。
なんと言われても津山さんから離れるつもりはない。
こんなところでひとりぼっちになるなんて死んでも御免だ。

正直に言うと、あの化け物を倒せる自信が欠片もない。
化け物の姿を見た瞬間、私ひとりなら、きっと背を向けて逃げ出す。
そうなればさっきの二の舞だ。いずれ力尽きて殺されてそれで終わり。


「そうならないためにも、せめて化け物を見ても怖がらないようになるまで、津山さんと一緒にいさせてほしいんです」

「…………」


……津山さんは黙り込んでしまった。

  
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