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希望の果てにあるものは

第3章 探索


扉を開け放ったのは、あの化け物だった。


「うっわあああ!! ででで出た出た出た!」

「騒ぐな!」


叫び声をあげた私を津山さんは容赦なく後ろへ突き飛ばした。
ふらりとよろけた体が後ろへ傾いていく中で、目に映ったのは化け物に銃口を向ける津山さんの背中と、津山さんに襲いかかる化け物の姿。
私が瓦礫まみれの床に尻餅をついた時には、すでに決着はついていた。


(すごい……)


的確に化け物の眉間を弾丸で撃ち抜いた津山さん。
頭部の肉片が飛び散り、頭を失った化け物の体は床に倒れ伏した。
たった一発の弾丸で化け物を倒した津山さんは、本当にすごいと思う。
同時に、より一層彼への不信感が高まった。

津山さんは何者なのだろう。
警察や軍隊に所属しているというのなら、あの狙撃の腕にも納得がいく。
だが津山さんの言葉を信じるならば、彼は現在無職だ。
まあクビになったという可能性も捨てきれないわけだが……。

とにかく、日本人が銃に触れる機会など普通に生きていればほとんどないはず。
もしも津山さんが銃を扱う仕事をしたことがないというのならば、なぜ、あれほどまでに冷静かつ正確に化け物を一撃で殺せたのだろうか。
わからないことは本人に聞くのが一番だが、あの津山さんが答えてくれるかどうか……いや、答えてくれるはずがない。考えるだけ無駄だった。


「おい、いつまでそうしてるんだ」

「……いや、尻餅ついたときに落ちていた瓦礫が、こう……お尻に刺さったといいますか……あの、痛くて動けない」

「じゃあそこに座ってろ」

「待って待ってお願いします待って! あと一分あれば動けるようになる!」

「……ちっ」


舌打ちをしながらも待ってくれる津山さんは、意外と優しいのかもしれない。


 
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