• テキストサイズ

雪灯りのうた【赤髪の白雪姫】

第2章 奏で始める



自然が多く、豊かな国ーーークラリネス。
そして、ここはウィスタル城。
侵入者や不審者がいないか警備する門番や見回りなどの兵士。
メイドや騎士、薬剤師、貴族などが忙しく仕事をしていた。


「......今日も平和だなぁ」

「おい、真面目にしろ」

「だって、昨日メイドの子にフラれたんだぜ!?やる気にならないって」


両手で顔をおおい、泣き真似をする同期に呆れて溜め息を吐く。
すると、前方から綺麗なネイビーの髪を揺らして少女が歩いてきた。


「...えっと、こんにちは」


少女はふんわり笑う。
門番の二人は慌てて姿勢を正した。


「こ、これはココナどの!」

「今日はどうされましたか?」

「ゼン殿下へ、御注文の品のお届けです」


腕に抱えていた布に包まれた品物を見せる。
身分証も同様に見せると、門番は軽く頷き閉ざしていた門を開けた。


「はい、ゼン殿下より伺っております。どうぞ」

「ありがとうございます」


会釈をして門を抜ける。
少女の姿が少し遠くなると、フラれたと言っていた兵士が頬を少し紅くさせていた。






/ 45ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp