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雪灯りのうた【赤髪の白雪姫】

第3章 風が招く出会い



「あの中に白雪がいるみたいだな。行くか、ゼン」

「…今度は木々も同時に行く。ココナは…」

「離れないようにだけど、怪我するから少し離れとく」

「そうだ。ここに居てもらいたいが、玄関に居た兵士が来たら困るからついて来い」

「うん」

「じゃあ、行きますか」


木々の言葉を合図に、3人と少し遅れてココナが兵士達へ走る。
今度はすぐに気付いた兵士達が剣を抜き、走ってくる。
先程と同じように殺さず兵士達と剣を交える3人に、ココナは胸の前で両手を握り見守っていた。


「みんな…」

「ココナ!」

「え?」

「…っ」


ボーッとしていたココナにゼンが駆け寄り、ココナの後ろにいる兵士にすかさず鞘で殴り付ける。


「大丈夫か?」

「…あ…ありがとう」


ココナに怪我が無いのを確認し、ゼンは剣を鞘に納め、ココナの手を握った。


「木々、ミツヒデ!俺達は部屋に入る。ここは任せたぞ!」

「「了解!」」

「行くぞ」

「ふぇ!?」


邪魔しようとした兵士を蹴り飛ばしたゼンに引っ張られ、ココナはゼンとともに部屋の前に行く。
部屋の中から話し声がもれて聞こえてきた。
その内容は、白雪自らラジ王子の愛妾になりたい、と言えというものだった。


「…なに、それ」


ココナは納得いかない、とドアノブに手を掛ける。
それをゼンは止め、何で止めるの?という顔で見るココナに、ニッと笑うと、ゼンは遠慮なく…勢いよくドアを蹴破って開けた。


「却下あ!!!」

「「「!?」」」


それはそばにいたココナ、部屋の中にいた白雪とラジは驚いた。
ゼンはココナの手を引き、ラジを睨みながらずかずかと部屋の中央に歩む。
引っ張られるココナは転ばぬよう小走りだ。


「それ以上、その娘と、俺の幼馴染みの耳が汚れるような戯言を吐かないでもらおうか」

「ゼ…」

「な、何者だ。見張りは何をして…」


白雪の言葉を遮り、ラジは侵入者を取り押さえるはずの兵士達はどうしたのかと慌てる。
すると、兵士達を峰打ちで黙らせたミツヒデ達が入口に現れた。


「大丈夫、大丈夫。見張ってますよ」

「!!」






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