第1章 桜が咲く季節は出会いの季節
日向翔陽side
目の前に立ちはだかる高い高い壁・・・
その向こうはどんな眺めだろうか・・・
どんな風に見えるのだろうか・・・
____頂の景色
俺一人では決して見ることの出来ない景色・・・
でも!
一人ではないのなら!!!
見えるかもしれない景色____
約3年前ほど
<<まさに‘‘小さな巨人’’!!>>
日向「ん?」
そうテレビのアナウンサーが叫んでいた
‘‘春の高校バレー’’全国大会。
戦っていたのは隣町にある
「烏野高校」だった
身長190センチ近い選手が犇くコートの中を
170センチという
決して大きくない身体で飛回る選手が居た・・・
次々と得点を重ねる
その黒い姿に
身体が震えるのを覚えている・・・・
そして烏野高校入学式!!!
俺はあの‘‘小さな巨人’’と同じ高校でバレーをする!!!
退屈な入学式が始まり
俺より小さくて
女みたいな男が新入生代表の挨拶をしていた
その瞳には何も映していないような目
でも綺麗な目・・・・
一瞬でそいつに目が行った
あいつのことが気になっていた
あの目には何が映っているのだろうか
でもどうして話したこともない
しかも男に気が行くのか
良くは分らなかった
バレーをするために!
エースになるために!
そして‘‘コート上の王様’’を倒すために!
ここにいるのに
なぜかその挨拶をしていた
アイツのことが気になってしまっていた
心のどこかで・・・