第2章 キラキラまぶしくて早く帰りたい
偉い人「打ち合わせを終了します
発売日は2カ月後の10日、来月頭にレコーディングで後半は振り入れと歌番組出演があるのでよろしく」
嵐「はい」
偉い人「ではこれで」
姉「有難うございました
では私たちもこれで失礼します」
「有難うございましたっ」
ぱたんと扉が閉じた瞬間腰が抜けそうになった。
あんなに息の詰まる空間は小学生のころ出たピアノコンクールの全国大会の予選以来だ。
譜面通りに弾くのが窮屈で自分の好きなように解釈をして気のままに弾いたら周りから鼻で笑われたような、なんとも言えない空気。
あの時ほどいやな目ではなかったが自分で作ったものを評価されるのは怖いものである。
姉「今日は疲れたねー
そこのソファに座ってて、飲み物持ってくる」
お姉ちゃんが飲み物を買いにいっている間に私はふかふかのソファーに座った。
ちょっとだけ沈んだ体にテンションがあがり、柄になくぽんぽんとソファーを叩いていたら、手に黒い影が出来た。