第1章 初めまして
お姉ちゃんを頼りに来た東京。
でも結局私の世界はピアノの前でただただ今までと変わらず一日を過ごすばかりで全然成長しない。
むしろ今までうるさかった親の目もなくなり生きてる実感がないままぼーっと過ごす。
窓からのぞいた世界はたくさんの人が動いていてこんな孤独なのは自分だけなんじゃないかって作った曲。
でも、そんなことばれたくないから無理やり自分らしくない明るくてポップな曲調だけど誰かがこんな自分の悩みに気づいてくれないかな。
いっつも無心で作るから改めてこうやってたくさんの人の前で聞かれると思うと恥ずかしい。
二宮「なんだか切なくなりますね」
相葉「え、そう?」
偉い人「作曲した時の状況とかあったら言ってもらえる?」
「はい」
・・・
シーンと静まる中作曲の時の思っていたことを伝えるのは自分で思っていたより緊張するもんなんだ。
人目を避けてきたからわからなかった。
ちらっと姉に目を向けるとこれ以上下がらないんじゃないかってくらい目じりを下げて嬉しそうに私を見ている。
やめてよ、恥ずかしい。