第26章 映画
本当は解ってる…
そんなのは、望んでない人もいるってことを…
自分一人が傷付いて護ろうとした所で
万人を護れるわけじゃないってことも…
犠牲じゃ、誰も救われないことも…
それでも、やっぱり…
何でかな…
自分という存在が、居て欲しいような居て欲しくないような微妙な気分だ…
24歳になって、初めて友達と呼べる存在が出来た。
それでも、ふとした勘違いから辛い思いをさせてしまった。
嫌な思いをさせた…
今まで拒絶や孤立
勝手な決めつけから好き勝手に言われたりと、ろくな目に遭ったことが無かった…
『だから人にそうされるんだ。
だから誰もが、自分の傍から消えていくんだ…
居ない方がいい存在だから、誰も気にも留めないようなクズだから…
居ちゃいけないって言われたじゃないか、消えろって言われたじゃないか…
自分が、自分でそうしているんだ…
人は皆、悪くない…
自分だけがいけないんだ…
自分なんかが存在して、嫌な思いをさせているから悪かったんだ…』
涙ながらに、一人でずっと思ってた…
そんなの、言われないと解らない人たちばかりだから…
誰も見向きもしなかった…
いきなり泣き出しても
それに寄り添おうとする人なんていないから…
声をかけたり、気にかけてくれる人なんて
やっとできた友達以外、いなかったから
余計に罪悪感とかも膨れ上がっては
消えてしまいたい、死にたいという気持ちも膨れ上がり
謝るしか出来なかった…
泣きながらでも、それまでの気持ちも伝えたいと思ったけれど…
実際には、涙が止められなくて
それまでの想いが強過ぎて…歴史やそういうのがあって…
だから、って…
その笑顔を曇らせたくなんかはなかったし
嫌な思いをさせること自体、死ぬほど嫌だった…
それぐらいなら、自分が死にたいってぐらいに…
歯止めも効かない
効くわけない…
初めてばかりだから…
そう思い悩んでいる中、顔を私の胸にうずめていた
幼い頃の自分が、顔をあげた…