第23章 激動
遠征艇爆発まで…あと2分
遊真「白帝が全力で引っ張ってくれるって楽だな」
秀次「勝手にしがみつくな。戻ってろ!」
遊真「俺も助ける。
近界民技術を目の当たりにしたことはないだろ?
それに、一部でも持って帰る時間があるとは思えん。
外すのを速めることは可能だと思うぞ」
秀次「…ちっ。勝手にしろ」
白帝が凄まじい速度でトリオン体の二人を引っ張り
恵土の下へと導いていた…
笑顔で居られたのは…そこに笑顔があったから…
(夕日の下、満面の笑みを浮かべながら手を差し出す先には
満面の笑みを浮かべた、幼い秀次がいた…)
ヴォルフと恵土…
出会いは、2歳の誕生日に戻ってきた後だった…
1~2歳、自らのトリオンが強過ぎるため
無意識の内にゲートを作り出し
近界で生き延びながら、トリガーを待って帰っていた。
その後、一族に代々受け継がれる
日本刀へ組み込まれ
後の襲撃事件によって振るうことになるとは、つゆ知らず…
2歳の誕生日
ふとした好奇心から、祠の扉を開けた…
初代しか開けることができず、中をのぞくことも出来ず
ご神木もまた、触れられないといったものを…
容易く触れることが出来、祠を開けることができた…
唯一、それに触れることが可能であった初代…
それは後に、こう語っていた…
『この祠とご神木は
始祖神が力を媒体に、後に復活するために遺したもの。
ここに在る土地は
始祖神が体を媒体に、力と同様に後に復活するために遺したもの。
それが故に、そこで過ごしたものの内では
始祖神の力を身体に宿し、祠とご神木に触れることができるものが現れることになるだろう。
そして…
いつか、始祖神を復活させることができるほど
凄まじい力をもったものが、遠い未来の先で生まれるだろう。
その時まで、この世にはびこる闇
恨み、憎しみ、苦しみ、悲しみ、痛み…
様々なものが、この星の土地を通じて伝わっている。
それにより、始祖神は壊すことになるかもしれない』
そして、こうも書き連ねていた…