第1章 出会い
迅「それを助け出したのが
お前の父親、空閑有吾(くがゆうご)さんだ。
そんでもって、こう聞いたそうだ。
「ネイバーが憎いか?」と。
そんでも、恵土の場合はそうじゃなくって…
「憎くない。
一番憎いのは…何も出来なかった、自分自身だ;」
涙ながらに、そう答えたそうだ…
それから、ネイバーフッドに行ったらしい。
8歳半の時点で…
ネイバーが全員が全員、殺そうとする奴じゃない
悪い奴等じゃないって悟ったんだそうだ…
『同じことをされたとしても、人の感じ方は違う。
価値観、考え、捉え方…それらは、人によって違う。
経験してきたものが違うと同時に、見る方向も違うからだ。
見る方向も違えば、言うことだって違う。
バラバラな個性を持った、一人の人間たちの集まりだ。
だが…
ただ、これだけは忘れるな。
ボーダーの意味を、護る先に何があるのかを。
その上で、今自分に成すべきことをなせ。
今、ここに居る者たちは
自分でこの道を決め、自ら選び、ここに立っている者たちだ。
その入った時に抱いていた目的だけは、どうあっても忘れるな』
11歳で自力で帰って来て、即入隊してから
卑下してくる連中に対して、そう言ったんだ…
到底、そんな風には聞こえないような言葉だがな…
そう応えられるぐらい、成長したんだろう…
(まあ、その考えを悟った時
自身の持つ膨大なトリオンを
自在に発揮出来る『白トリガー』に選ばれたらしいが
それは話さなくてもいいか)
帰ってきてから、12歳には飛び級で全部卒業」
遊真「ってことは、学校はなしか?」
宇佐美「おっこちちゃったのよ^^;」
三雲「え?ってことは留年?」
宇佐美「違う違う^^;
勧誘全部、叩き落としちゃったのよ;却下して;」
雨取「何でですか?」
迅「『面倒』って言ってたな^^
それよりも
人命が助かる可能性を上げる方が最優先だったんだろ」
遊真「なるほど」
納得する中、話は続いた…