第3章 戦術
食後、
『今までの恵土のデータ』と『恵土』の戦いを
録画したビデオを見ながら議論中…
三雲「でも、バルブって凄いですね」
恵土「何が?」
三雲「えっと…
だって、あれだけ光速で動ければ楽勝じゃ」
恵土「あ~。
よくそう言われるけど、実際はそうじゃない」
三雲「というと?」
恵土「勢いが付いたら
なかなか止めれない上に、制御が特に難しい。
バルブをもう一個利用すれば自在に止めれる感じだ。
第一、その光と化した球状の安定させたバルブに
全方位から一点に向けて
それ以上の密度のバルブが貫いたら『大爆発』だ」
三雲「何でそのように!?;」
恵土「安定化させた球状の中では
外に出ようとするエネルギーが、はちきれんばかりに居る。
そのエネルギーを
全方位から強引に押さえてるのが『バルブ』だ」
三雲「満員電車よりも凄そうですね;」
恵土「そこに穴をあけるということは
外へ出れる入口が一瞬でも出来るということ。
そこから出ようと、上下前後左右全てから
真っ先に凄まじい勢いで集まろうとする」
三雲「水を満杯に入れたコップに
上からふたをして
上から押さえ込んで圧縮している時に
急に横から穴が開いて
そこから出ようとしているという感じですね」
恵土「それを放出させてバリアごと貫くのが
バルブの最大限の力の発揮のさせ方。
しかし、その力が全体に対して行われると
最終的に、その穴の周囲が耐えられなくなる」
三雲「つまり、あまりもの量を圧縮していたから
それが外に出ようとする力も強くて
それを、全体的に押さえ込むことで均衡が取れていた。
しかし、それが一点のみに力が集中することで
より大きな力が、その部位のみにかかる。
時間も長くなるにつれて
それをもろに受け、押さえ込んでいたものが崩れていくと」
恵土「最終的には、それによってバルブの力が消滅。
しかし、全方位から出ようとすれば
一気に均衡が崩れ、そのあまりもの変動から殻が壊れ
全方位へと爆発的に出て行く。
その爆発に巻き込まれればおしまいって感じだ」
三雲「なるほど。凄いですね」