第17章 助けとしがらみ
緑川「それは…
最後の一つは、普通にはない特別なものらしくて…
それが…『電気感覚』」
遊真「?電気って言うと、あのビリビリした奴か?」
緑川「んと、そうだけどちょっと違ってて…
体中の組織っていうのは、神経ってので繋がることで感覚があるんだ。
それを伝えるのに信号を使ってて。
その信号のもととなっているのが電気。
それを感じ取る力って感じかな」
遊真「なるほど。
でも、どういうことに使えるんだ?」
緑川「えっと…
確か、使うのに必要のない一部分の電気信号を凄まじく少なくさせて」
遊真「ふむふむ。
その分、使える電気量が増えるな」
緑川「うん。
脳から『動け』って、ある部位に思って
それからその部位までに『動け』って届くまでの期間を短くして
普通よりも速く動かすことができるんだ」
遊真「なるほど。
その上、効率的に全身の力を伝えて集中させたり
全身の力を、一点のみから出したりもでき
避けるのに対しても、動きの察知に対しても素早い。
それに加われば鬼に金棒だな」
緑川「考える時に
それのみに集中させて打開策を誰よりも早く生み出せたりとか
余った電気を集中させて
皮膚から外へ出して、触れてるものを感電させたりとか
動くのに集中する時は、それ以外の部位には最小限にしといて
普通ならありえないぐらいの音速以上の凄まじい速度で動いたり
色々と汎用性があるって、自慢げに言ってた。
でも感電は普通にするんだって」
遊真「二度頷く)ふむふむ。
近界民相手に、光速で相手できてたもんな。
20秒で1600兆も」
緑川「あれはもう電気とか超えてるけどね^^;
感覚を強める分、強く感じ取って
逆に治す方に意識を向ける所じゃなくなるんだって。
だから強制的にサイドエフェクトを切って治すらしいんだけど…
今回の場合、それどころじゃなさそうだし…」
遊真「痛みで苦しんでるしな」
緑川「…深刻だったのは…
今回を含めると、3回だったかな」
そうして回想に入る…
遠い、昔の話へ…