第9章 クリスマス（帰還）

そうして何やかんやで落ち着いてから…


迅「酒臭いな；）

でも、相手のことを考えてこそなんでしょ？」

恵土「ん？

って見せんなよ！？；（飛びのいて身構える」


迅「見せませんよ^^；

第一、恵土先輩がいたら
絶対に、その悪い点を指摘して改善させる。

本当は、それが出来なくてもどかしくって…

だから嫌いになるしかなかったんでしょ？」

恵土「…そう、かな？」


迅「そうそう。

本当はいい点も解ってて好きなのに

それでも、全く改善しようともしないで
いつまでも平和を堪能して、へらへら笑ってて

危なくなってからしか何もしない。

それが無に帰す悲劇に見舞われたこともないくせ
解ったように言ってしまうこともある。

味わって、経験したものにしか解らないのに…


そんな部分もひっくるめて、嫌いになるしかなかった…


結局の所、この世界に居る以上
これにかかれている世界にいけない以上…

改善策は0。

だからこそ、その嫌悪感はいつまでも収まらない」

恵土「この吐き気もな；」


迅「だから…
嫌いなら、相手にもしないと思うんだけど…

それら（嫌いな部分）を全部抜きにしたら、どう思う？」


恵土「…好きっちゃ好きだな。


でも、嫌いかって言われたら

全ての世界よりも何よりも大嫌いだ。



そりゃ、根はいいのは知ってるよ。

でも、中途半端過ぎる。


それは、逆に

その痛みを経験して知っている者を傷付ける。



父親が実のじゃなくて、家業が継げなくて

今までの家業を継ぐ上で積み重ねてきた努力がふいになって


隠してきた父親に腹立って、それでも言えなくて


一人で抱え込んで、苦しんで悩んで

誰にも話さずに、最終的に間違った方向へ行っちまった。


そんな気持ちは、家族のことで

実際に悩んで、苦しんできた奴にしか解らない。


中途半端な言葉や救いなら、ない方がいい。

ことのほか、継げる奴に何を言われても

解ったように、励まされるように言われ続けても


逆に、苦しいだけだ。

その現実が、より強く感じられる。


腹ただしく感じられる。


自分は出来るということを
解っていながら、なろうともしない。

自分はどうしたってそこには行けないのにって」