第39章 終わらない悪夢、忍び寄る闇
恵土「…
迷惑をかけた時に蘇るトラウマって一番厄介だよなあ(ぼそ」
秀次「?何がだ」
恵土「…小さい時
「目障りなんだよ」
「話しかけてくんな」
「死ね」
「消えろ」
人に手を伸ばせば、返ってくる言葉はそれだけだった。
それ以降、どうすればいいのかもわからなかった。
見れば嫌な顔をされる。
『自分がいるから、嫌な思いをするの?
自分がいると、皆が不幸になる』
その後、自分から話しかけるのが恐怖となった。
笑顔になると、嫌な顔をされた。
「きもい」「きしょい」
自分はいちゃいけないの?
自分には誰も合わせてくれないの?
「人に合わせるのが当たり前だろうが」
「お前なんかいるだけで迷惑なんだから」
って言われてた
それで合わせても、助けたら助けたで嫌な顔されてばっかで
いじめられてたから巻き込まれたくないから触れるなって感じばっかりだった。
それが、何年も続くうちに
人にそうされること自体が常識になっていった。
自分は人に、何も求めちゃいけないんだって思ってた。
甘えることも合わされることも今までなかったことだったから
こういう時、どうしたらいいかもわからなくて
最初に思い浮かんだのは、すみませんって言葉。
申し訳ないとか、いろいろ思い浮かんでいた。
ほら、最初に家に引っ張ってかれて
気にしなくていい。自分の家だって思っていいって言われた時に言ってたやつ」
秀次「ああ。
それは今でも覚えてる。
何で謝ったのかもわからなかったが…
だから、申し訳ないとかか?」
恵土「ああ。お手数おかけしますとか、色々な^^;
だけど、それから感謝してもしきれないぐらい一杯になって
ありがとうって何度言っても足りないぐらい思ってた」
秀次「一日に何回も言ってなかったか?;毎日」
恵土「いってたねえ^^」
そう笑いながら、手を重ねた。
秀次「!」
恵土「触れちゃいけない。
話しかけちゃいけない。
居るだけで迷惑になっている。
私がいると、不幸になる。
そういう常識が、今ではいきなり変わっていって
その変化に、全く心も体もついて行けなくって…」
そう言いながら空を見つめると、星空が瞬いていた。