第38章 祝勝会(悪夢と現実)
恵土「おお。対応速い」
風間「そうですね。
あそこで動きを変えず
すぐに液がついた部分を押し付けて焼いて放すか」
言いながら、現場を見ていた。
焼いている現場で液を円状に垂らしていったのだが
裏面が焼けたのをひっくり返した後、板を置いた時にうっかり液がつき
それでありながら動じずに焼く枚数分、液を流し
最後に、板についた部分を焼く部分に押し付けて固めて取れやすくし
何事もなかったように取ってからひっくり返していく現状に
思わず二人は感嘆の声をもらしていた。
陽介「そういやあの二人、分析家だっけ」
菊地原「誰だって慣れればあれくらい(ぼそ」
陽介「お前はそういうことしか言えねえのか~?(ヘッドロック」
菊地原「やめろ~暴力反対~(ぶうぶう」
陽介「恵土だったら必死に逃げ出そうとしてたくせに(にや」
菊地原「だって、あんな胸が後ろにあったら//(ぼそ」
陽介「ん?」
菊地原「ぷいっ)//」
秀次「ギンッ)・・」聞こえてた
陽介「秀次!?;」
秀次「誰の胸が何だって?(ゴゴゴゴゴ」
菊地原「げ!;」
秀次「よくも!」
陽介「落ち着けって秀次ぃ!!!;」
小南「やめなさいよ!!;」
ぎゃー!ぎゃー!!
そう店頭でわいのわいのと盛り上がっている間に
店内では…
焼いてる現場を音の出ない写真アプリで撮ってから、メニューを決めようとしていた。
風間「何を食べます?」
恵土「そうだねえ。
パンケーキ3枚にバニラアイスと生クリームとメープルシロップの『スペシャルパンケーキ』とか?」
風間「甘いのは苦手では?」
恵土「確かにそうだけど…
この頃、私のせいで忙しくって
そんなの食べてる間なんてなかったし(苦笑」
そう、申し訳なさそうに
恵土はうつむきながら、目を合わせずに苦笑交じりで答えていた。
それに対し、風間は辛そうな表情を浮かべた。
たった4日(2月14日から17日)の間に
死にかけ、操られ、連れ去られ、死んでから生き返った。
一時とはいえ、死んだことが嫌だった。
それが…
何よりも、望まないものだったから。
その悪夢にも等しい、死んだ時を味わった地獄を思い出し
戦いの最中で、生き返ることを必死で望んだ。
それはとても苦しかった。
だけど、今は隣にこうやって生きているという現実…
実感があった。