第36章 隣には…
恵土「いくぞ…」
その言葉と共に、防いだ体勢のまま目を閉じた。
「?何を」
ずああああああっ!!
疑問に思った直後
周囲の風が土や闇…玄界に存在するエネルギー全てを
空間ごと、己の周囲一点へ集約させていた。
恵土「覚醒融合・臨界点突破…
発動・最終形態(ファイナルフォーム)!!」
その言葉と共に、己から白い光と稲妻を身に纏いながら叫んだ。
その光と稲妻は、己の周囲15mで持続的に護ろうとするかのように纏い続けていた…
ざっ!
それに思わず、後ろへ跳んで距離を取る近界民だったが
「ふっ。そうこなくっちゃな!」
挑発的に微笑んでいた。
ちなみに臨界点突破とは
元来ならどんなことがあっても超えられない
『限界』とかの境目、境界、みたいなものを突破したという意味です。
恵土「…お前、本当に敵2か?
随分話し方も変わったな」
「うるさい」
恵土「もしや…人体と融合したか?
さっきの白い光、本当は空間移動で送ったんじゃなくて自分と?
人格に影響を現わすことなんて、滅多にないはずなのに」
「違うさ。
ただ、お前が欲しいってだけだよ。
そのためなら、全てを懸けてでも!!」
恵土「…なるほど。解った。
お前、自分とこの世界の神様の力借りてきたのか」
「お察しの通り。
さっき吸い取った分は本国へ返した。
だが、今から吸い取る分は違う」
恵土「無理だな」
「!」
恵土「これは、私自身だ。
飽和も超えて、物質の密度をも超えて
エネルギー化しているように見えるだけだ。
エネルギーなら簡単に影響を受けやすく
なおかつ分離しやすいから、すぐに吸い取れるが
それごと、物質以上の存在として
一体化し切っていて、己の一部と化している。
そんなものは、簡単には吸い取れない」
「そうか。なら、試させろ!」
光速でぶつかろうとする近界民に対し
一瞬(10の-20乗秒)毎に動きを区切りながら
韋駄天を連続で繰り出し続け、息つく暇もない連撃と化し
恵土「韋駄天・神速乱舞」
ずぎゃぁん!!
光速を超えたことで
目にも映らない、一撃に見える斬撃(1秒に10垓(10の20乗))を炸裂させる。
神速の戦いが、ここに幕を開けた。
(2月2日PM10:23~3日AM2:28更新、1261~1267(7ページ))