第36章 隣には…
恵土「やばっ!」
即座に白い光で身を包み、高速ではなく光速で
皆を包みように強靭なバリアーを張った。
その直後、白い光と共に右拳による攻撃が来た。
それを恵土は、両腕を胸の前で交差させながら防ぐ。
がきぃん!!!!!
凄まじい爆風と音に包まれる中
光速同士のぶつかり合いに白い光が瞬き、凄まじい衝撃波が爆発する。
鬼怒田「なんだあれは!
トリオン反応はないというのに」
忍田「新たな力か?」
城戸「それか、恵土の使っていたものだろうな」
そう本部で映像を見ながら話し合われる中…
現場では…
「ふっ。
どうだ?お前と同じだろ?」
恵土「?」
「我々は生身では、トリガーを扱うには脆過ぎた。
そんな時だ…
お前が、トリオン体を生み出したのは。
己の中の魂に宿る意思=己自身の意思
己の体に宿るエネルギーの意思=始祖神の力の意思
各々が互いの意思を理解し合い
なおかつ、どんなことがあっても信頼できる。
そうしたことで一つになった時、トリオン体が生まれた。
そうして近界に広まってから何年か後に
白帝という想いの結晶が現れ、トリオン体と生身の融合に成功した。
そう…
覚醒融合とは、己と他の固体と意思を一つにすること。
そうすることで、エネルギーを己のものとする!」
右拳をさらに強く押し出しながら
理解したことを自慢げに語って笑う中
恵土「…少し違うぞ、それ」
「?」
恵土「心を一つにってのは、こうやるんだ。
すぅ~!」
そう言い切った後
腹の底から、30秒かけてゆっくりと息を吸いながら
ごおおおおおお
周囲80mのエネルギーを、己のすぐ周囲へ凝縮させ
しゅううううう
白い光として体内へ吸収してみせた。
「なっ!!??」
恵土「見えてるものも聞こえているものも感じているものも…
それが解るからこそできることだ。
いつでもどこでもな…
それが、私のサイドエフェクト・第六感だ。
意思を紛れ込ませ、己の一部と化すだけじゃ限界がある。
それが見ているもの聞こえているもの感じているもの…
全てを読み取り、感じ、覚え、共感し、共鳴し、覚醒した。
それが…
お前の言う、私が昔に編み出した『覚醒融合』の到達点。
意思も心も溶け合った、真の融合だ」
真剣な眼で言い切る中、それは始まった