第36章 隣には…
恵土「だから…死ぬわけにはいかない(ぐっ」
拳を握り締める中、白い光が全身からほとばしる。
恵土「皆のためにも、是が非でも生き残る!」
それに共鳴するかのように、白い光が巻き起こり
動きを押さえ込まれていた光の板を吸収し
白い光に包まれる中、地面へと降り立った。
真剣な顔で敵を見据える中
ずあぁっ!!
全身から、白い光が瞬き続けていた。
菊地原「確かに僕ならそういう言葉言うかと思いますけど
逆に、そういう心が想いだけで行くってどうなんですか;」
歌川「ツッコむな。
きっと、想いが凝集して作り出された白帝と同じなんだろう」
そう呟き合う中、その答えに満足げに誰もが微笑んでいた…
その過去は知っていた。
その上で生き抜くことの難しさも
人がいることで、なおさらに苦しむことになるのも…
それでも、生きることを選んでくれたのが嬉しかった…
恵土「死んで、あの世から幸せ願って
それで皆が幸せになった所で
そんなの嬉しくもねえ!
ただの上っ面の幸せなんて見たくねえ!!
死んだ後でも、笑えるようにするために…
本当に幸せだって、感じられるようにするために!
私は今、ここにいるんだ!!」
『っていうか、結局人の為じゃん!!!;』
思わず、心中で全員が突っ込んでた;
迅「あっはっはっはっ!^^
やっぱ恵土らしいなあ(微笑」
目を瞑りながら微笑む迅に
修「なあ、空閑…
もしかして迅さん;」
遊真「ああ、絶対見えてたな≡3≡(キラン」
そう言い合っている中
「ふっ。面白い!
やれるもんならやってみろ!(にや」
恵土「ああ!最初からそのつもりだ!(真剣」
構え合う中、恵土の全身から稲妻のようなトリオンがほとばしる。
黒江「!」
加古「双葉、もしかしてあれ」
黒江「頷)韋駄天です。
あの技による動きは
トリオン体の中では、随一速い高速斬撃。
私の場合、まずは発動する前に動きの軌道を決めていて
それを発動させて動いている最中には
それ以外の動きは不可能になってしまいます。
でも、恵土先輩の場合は
相手の出方に応じて、技を発動させている最中であっても
動きをさらに変化させ続けることができます。
だから…
正真正銘、韋駄天を完璧に扱いこなしている達人です」
その眼は、真剣そのもの…