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鬼神乱舞 【ワールドトリガー】

第35章 護るべきもの




愛情豊か故に、人を憎んだり恨むことができないことも。


どんな人にでも、心の傷をひたすらに隠し
傷付けたくないからと、普通のように接してしまう所も。


人のことばかり大事に想って、自分なんて二の次で…


そんな恵土先輩を、俺は助けたいと思った。

いつでも笑いかけて、心にある闇から助け出してくれたあの人だから…


もっと助けたい、もっと傍に居たい…

助け出してくれたように、いつでも駆けつけてくれたように……


あの人の傍で、もっと一緒に楽しい時を過ごしたい。

もっと幸せになって欲しい。


隣で生涯、ずっと…

その幸せを、その笑顔を護りたい。


人に対して、対面するだけで恐怖を抱くようになってしまった。

そんな恵土先輩の傷を少しでも癒し、力になり、支えたい。護り抜きたい。


この感情が『恋』だと気付いたのは…

何年も経った後だった。


(スパイダーのような糸を使いながら戦う近界民と対峙し

切り結びながら、今までの内容が思い浮かんでいた…


以上が、『風間にそれは見られた』と
恵土が言っていた点(1210ページ参照)で

風間視点でした。


ここから後は、菊地原視点に移ります)


菊地原「!やばっ」
ずばぁん

(菊地原と対峙していた近界民が
白い光と共に、急速に光速レベルに加速して菊地原を叩き切る)


切り裂かれた感覚が、全身に走った。


菊地原「!」
ぼぉん!!
どさっ

斬られた中
換装が解けると共に、不思議なことが起きた。

何でか、全身から力が抜けていた。
それによって、地面に力なくひざまずくことになった。

立とうとする自分の意思とは関係なく
地面にひざまずき続けていて、体が動きそうにもなかった。


恵土先輩に昔、一度だけ
サイドエフェクトを全開で使って戦って欲しいと言った。

その時に実感させられた
無意識に、触れたもの全てのエネルギー

『力を吸い取る』って奴を受けた時の感覚に似ていた気がした…


菊地原「…悔しいなあ…

結局、恵土先輩に一発も食らわせられなかった(苦笑」

そんな中、敵が歩み寄ってきて…

悟った。


菊地原(ああ…死ぬな、これ)

それを見ながら、脳裏によぎったことは…

走馬灯のような、昔の出来事ばかりだった。

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