第32章 奇跡
小南「『いつかは、自分の中の辛さも幸せに代わるさ^^
一本線を付け加えて幸せになるのなら、私がそれになろう(微笑』
そう言ってくれたのに…(震)
誰かと引っ付こうなんて許さないんだからああ!!・・(くわっ!」
恵土「落ち着いてくれええええ!!;」
そう絶叫する中、先程の太刀川の叫びが響いた…
太刀川「恵土!
さっきの本に触れて、場所とか解らねえか?」
恵土「?それ以前に多分燃えて存在してないよ?
それだけ、たまたま生き残ってた感じだし」
太刀川「くっそぉ~!!;」
恵土「…内容なら、まだあるよ。
あの時、風間に見せたノート。
その最後の部分に、同じ内容があった。
祖父ちゃんは多分、それを見越した上で書いてた。
そして今も、そこにある」
太刀川「だったら今すぐ!」
恵土「内容は覚えてる。
最後に書かれていた方法ってのは、確か…
『いっぺん死んで
始祖神に生き永らえさせるべき命だと思わせること』
だっけか?
といっても、わざとだったらダメらしいがな(溜息」
迅「それだったらいわない方がよかっただろうな(苦笑」
頭に手を置きながら言う中、苦笑した
恵土「そうだな^^;」
その中、ふと外を見ると
黒いもやが見えた…
小さい時から見慣れたそれは…
ボーダーにおいても物質に残っていた残留思念が蘇った…
『甘やかされて育ったんじゃねえ?』
『だからあぁいう風に無視できるんだろ?』
『陰で悪口とか言ってるんじゃ?』
DVを受けていたことも知らず知ろうともせず
やっていないこともやってるように言ったり
気付かずに無視してしまったことも
ぶつかったこともない人たちが、平然と笑って話す。
聞いていた人たちは、それをうのみにする。
その循環が止まることは決してなかった。
それでも…多少マシになっていたのは感じていた…
自分が生きているの値する命なのか、今でもわからない。
それでも…
今ここにいる人たちは、生きることを望んでくれていて
危ないと知れば、すぐさま駆けつけてくれる人たちばかりで…
その人たちのためにも、
恵土「生きないとな…(ぼそ」
そう、思ったんだ…
泣きながら誓った、あの時と変わらない星空を見つめながら……
(窓際に立つ中、星空を眺めながら呟いた)