第32章 奇跡
『!!』
その秀次の言葉に驚く中、読み始めた。
その本の題名は、『血の呪い』…
そう、歴史博物館にあった題名と同じであった……
(1056~1058ページ参照)
秀次「…
『死んだ136代目の遺した予言を、ここに記す。
『いずれ、138代目が唯一宿している
『始祖神の力』はなくなってしまうだろう。
その時、確実に死に陥る。
『始祖神の力』は、決して蘇ることはない。
使った分は消え、寿命はだんだんと減っていく。
人の為につかったとしても、蘇ることはないだろう。
だが、それを私利私欲のために使ったことが無ければ
『奇跡』が起き、助かるだろう。
その際、神の力を有さない『ただの人』になるだろうが
この世に生まれる際に定められた『寿命』に再びリセットされ
生き永らえることができる』」
ごくっ
最後のその言葉に、思わずその場にいたものは唾をのんだ…
その音に、思わず一瞬止まりながら読み続ける
秀次「…
『3862年も昔から
始祖神の力を行使することを、禁忌と指定されていたのは
それを使い続けたが故に寿命が縮み、初代が早くに死んだから。
それを教訓にして、同じようにして死ぬのを防ぎたかった。
蘇るのを誰もが祈り、1年もの間断食をしたりもした。
しかし、蘇ることはなかった。
これから示される方法は、ただの予測。
助けになるかどうかまでは解らない。
だが…
きっと、助けにはなると信じて書き残す。
心の底では、愛している。
それでも…
どうにもあらがえない力が働いてしまっている。
どうか生き延びて欲しい』」
小南「それで…方法は?」
恵土「もしかしてここで切れてるなんてことはないよね?^^♪」
陽介「まっさかぁ!^^
ギャグマンガじゃあるまいし、こんな所で切れてるなんてことは…;」
そう言いながら、ほとんど全員が固まった…
秀次「…そのまさかだ;」
その本の続きが破られていて紛失しているのを
目を瞑ったまま冷や汗ながら、示すように目の前に差し出しながら…
すっごい小さな声で呟かれた;
『ダメじゃん!!;』
秀次「悪い;全部読み終わってから言うべきだった;」
叫ぶ人々に、秀次は思わず頭を下げながら謝った;