第5章 クリスマス
三輪「一つ、聴かせてくれ…
お前は何で、相手の幸せをそれだけ強く望める?
なぜ、殺してきた相手だとしても
そうやって幸せを願うことができる!?」
恵土「…私が、自分で決めた道だからだ…」
三輪「は?」
恵土「…7歳の時、母方の祖父母が死んだんだ」
三輪「!」
恵土「事故だった…
結局の所、味わった感覚はあの時と同じだったよ……
雨の中、戦いながら思い出していた…
遠いあの日に、涙ながらに
『嫌だ、別れたくない、死にたい、やるせない』って…
そう思ってた自分自身へ
必死に言い聞かせた想いを…
『この世で
何人同じ痛みを味わう人達がいると思ってる!?
何百…何千万人が
その痛みと戦ってると思ってんだ!?
この世で死ぬ人達は、
私達の知り合いだけじゃないんだぞ!
何のために死んだ奴がいると思ってる!?
泣くためか?…悲しむためか?…苦しむためか?
…違うだろっ!!
その死を無駄にさせないために!
今生きてんだ!!
感情に任せてみろ!!
逆に死んでいった奴らが、悲しむだろ!!苦しむだろ!!
そうさせないために、今を強く生きるんだ!!
どんなに失うことが怖くても、強く生きてゆくんだ!!
その痛みから立ち上がって、前に進むんだ!!
痛みに転んでも転ばされても!!
上を向いて!!立ち上がって!!
何度も何度も!立ち向かって!!乗り越えて!!
その人が死んだ!!
その人が今いないこの世で、生き抜かなきゃいけないんだ!!
…そうでなきゃ何のために、
そいつらは、この世に今まで生きてきたんだ!?
いつまでも泣いてたって、生き返りはしない!!
それでも…
そこから何度でも立ち上がって、前を向いて乗り越えて!!
無意味にさせないようにすれば、その死を…
無駄にさせないで済むんだ!!
だから生きるんだ!!だから立ち上がるんだ!!
それが…生きるってことなんだ!!;(ぼろぼろ)