第31章 楽しみ
泣きじゃくっている恵土に対し
周囲は、背やら肩やら頭を撫でていたのだが…
陽介「…あれ?」
出水「?どうした?槍バカ」
陽介「いや…
恵土が今泣いているから言っちゃいけねえかもだけどよ……
寿命の件、忘れてね?」
『………』
その言葉に、泣き声が未だに聞こえる中
周囲は、沈黙に包まれた
『あ』
そして気付いた…
肝心の寿命の件について話されていないことに…
恵土「あ;忘れてた;(ぐすん」
『もしかして、ごまかそうと?』
恵土「ぶんぶん×20)!」
口をそろえて思う中、必死に首を横に振る恵土
風間「とりあえず恵土、正直に答えて欲しい…
例のあれについての資料はどこだ?(ギンッ」
恵土「もはや話し合いじゃなくて脅し!!・・;;
仕方ないじゃんか!;
いきなり普通だったのが普通じゃないってことになったんだから!!;」
秀次「…はあ;(溜息)
とりあえず落ち着け。
それからでいいから、全部包み隠さず話せ」
恵土「だから幼少部分話した~!!;
この先にあるんだよ!;
奥の方!!;
一族以外は読めないようになってるから」
秀次「・・(じとー」
そう言う恵土に対し、じと目で見てくる秀次たちに対し…
恵土「資料室にあるんだよ!!;
一般の人へは立ち入り禁止されてる!!;
ってか怪しんでね!?ひどい!!;」
そう叫ぶ中、資料室へと自ら入っていった
恵土「うっ;もういいよ;
いっそのことなら、最初の内に死んでればよくないけど良かったかもしれない;;
確かに思い出すの遅かったけど
そんなに…
そんなに睨むことないじゃんかああ;;(ぼろぼろ」
ぼろぼろと涙を零しながら語る中、
太刀川「そんなに怖かったのか;(よしよし」
よしよしと撫でる太刀川と秀次だったが
奈良坂「例の資料はこれか」
ほとんどの大部分が、その資料を読みだしていた
『村長が代々引き継いできた始祖神の力は
始祖神が復活するために与えた力。
それは、村が誕生した時からあった。
始祖神の力を使うことは禁忌。
それを破れば、寿命が次々に減っていく。
そして、使った始祖神の力は回復することはない。
正しいことに使おうと関係なく
最期には、力を使った分苦しみながら息絶える』