第5章 クリスマス
その時の恵土の脳裏には
血でまみれた、家族と友
親しかったもの、知っていた建物など
全員の死骸が、浮かび上がっていた…
それ故に、何も言えなかった…
太刀川「おい、どうした?」
その騒ぎを聴き、歩み寄る太刀川。
しかし、互いが互いのことで
頭がいっぱいだった…
三輪「ぎり)…(震え」
その脳裏にもまた
血でまみれた、姉の姿が浮かんでいた…
三輪「あんたは、その痛みを知らないから
近界民と手を取り合うことが出来るんだ!
命を奪った仇に、近界民に!
そんなことができるわけがないだろうがっ!!
あんたのそれは間違ってるんだよ!!
なんなら
今からでも、あんたの親しい奴を殺してやろうか!?
どれだけいい加減な考えか、すぐに解るぜ!(睨」
恵土「……悪い…」
三輪(やっとわかったか…
近界民なんて、全員敵d
恵土「もう…
私の知る皆は、殺されたんだ^^;
幼い頃、全員を近界民にさ…(涙目」
三輪「…(は?」
目を伏せ、涙目になりながら言う恵土に対し
何も言えずにいる三輪を捨て置き
恵土「…ごめんな…
嫌な思い、いっぱいさせちまって;」
辛そうな顔のまま、屋上に走っていった…
それに対し、あ然としたままの三輪に対し
太刀川「こんのバカヤロウが!」
太刀川は頭を殴った。
太刀川「あいつはな…
近界民に、両親も祖父母も
友達も親戚も居場所も、全部殺されて奪われたんだ!
なのにそれを蒸し返しやがっt
三輪「うそだ…」
太刀川「ん?」
三輪「嘘だ!
そうじゃなきゃ、何で!
何でっ…(涙目」目を伏せる
太刀川「…あいつは
近界に行って、解ったんだそうだ。
近界民とは、実際に会わなきゃ何も解らない。
勝手に決めつけられて奪えば
あっち側からしたら、全く同じだとか
そんなのしても、何も嬉しくねぇって泣いてたとか…
だから…
いい加減に決めたんじゃねぇ。
自分で選んで、自分で決めたんだ」
その言葉に、三輪はどう動く?…