第1章 Tail 1~出会い~
ビルの正面玄関をくぐると
目の前には大きなテナント一覧の看板と
左右には多数のエレベーターが並んでいる。
私は看板を眺めお目当ての階を探す。
潮浬・○○「あった」
潮浬「ん?」
誰かと声が重なった。
ふと右隣りに目をやると
いかにも私とは正反対なふわふわの明るいロングヘアーに
ふわふわのワンピースをまとった小柄な女性がいた。
…トイプードルみたい♡
○○「こんにちは」
その女性が私の視線に気づき微笑みながら会釈した。
潮浬「あっ、こんにちは」
私も会釈を返す。
○○「あなたもどこかへ行かれるんですか?」
潮浬「ええ、25階に」
○○「え?あなたも?」
女性が驚いた表情のあと、ニコニコ顔で訪ねてきた。
潮浬「ということはあなたも?」
○○「うん!今日からなんです!」
潮浬「私も今日からなんです」
○○「じゃあ一緒に行きましょう!!」
なんてラッキー!
こんなにかわいらしい人と初日から出会えて
なおかつ一緒に行けるなんて
少し不安が薄らいだかな(笑)
二人でエレベーターに乗り込み
25階のボタンを押した。
○○「ねえ、お名前は?」
潮浬「潮浬です、三波潮浬。あなたは?」
○○「私は桃子。藤崎桃子!23歳」
名前まで風貌にぴったりとは
神様は何とも不公平ってこのことか?(笑)
桃子「桃子って呼んでね」
潮浬「歳も同じだし、私も潮浬って呼んで」
桃子「うん!」
―――ポーン…
そんな話をしているうちにエレベーターは25階へ
足を進めるとそこはラグジュリーなインテリアで統一された
白と黒を基調にした素敵な空間が広がっていた。
どうやらほかのフロアは
だいたい5~6社のテナントが入っているのに
ここはこの1社で25階のワンフロアを占めいている。
見渡す限り洗練された空間。
今日からここが私の新しい職場になるんだ…。