第4章 冬ノ刻 斎藤一
「私が一様を守りたいと言ったら、どうしますか?」
「……志摩子が? それは……たぶん驚くと思うが。いや、頼もしい」
「口元が緩んでいますよ。もう……馬鹿にしていらっしゃるでしょう?」
「そんなことはない。可愛らしいことを言う、と思ってな」
「……っ」
ぼっと頬が熱くなる。――可愛らしい。その一言に込められた意味などなくとも、私は素直に受け取ってしまい胸が高鳴るのを感じた。一様はそんな私を知る由もなく、少しだけ楽しそうに微笑んだ。
「ならばいつか、共に支え合える仲になれたらどれだけいいか……」
「……! なり……たいですねっ、そのような……素敵な仲に」
先のことなど私達にはまったくわかりませんし、一様達は只でさえいつ死ぬかわからない身。それでも、今この瞬間に一様と交わしたこの言葉をけして忘れずにいたいと思いました。そのいつかがもし、来なくとも……それでも願っていてよいでしょうか?
貴方様との、素敵な未来を。