第7章 私の学校生活
扉を開けるとそこには誰もいなかった。正直少し灰崎に会うことを望んでいた自分がいた。付き合ってたということを兄から聞いて直接本人に確認したいという気持ちがあったからだ。
(ちょっと残念だな。まぁ毎日いるほど灰崎も暇じゃないか。部活したりゲーセン行ったりしなきゃだもんね。)
夕日に照らされて一面オレンジ色の屋上はすごく素敵に見えた。この場所はなんだか落ち着く。
下を見るとグラウンドで部活をしていたり下校しようとしている生徒が見える。
わーわーと騒ぐ声も遠く校舎の壁に反響して聞こえる。
なんだか忘れかけていた学校の雰囲気。とても懐かしい気分になる。
その日から屋上は学校のなかでの私の一番好きな場所になった。
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屋上で少しの時間を過ごすとやはりもう10月ということもあり肌寒くそろそろ家に帰ろう、という気持ちになった。
昇降口へ向かい、昨日と同じように家に帰った。
それから数日間、ワタシは同じような生活を送った。
朝起き兄と登校し授業をうけバスケ部の皆と昼食をとり放課後は屋上にいきただグラウンドを見たり本を読んだり。
時間に縛られた生活は今までの“私”からなくなっていたものでその中で生活するのは息苦しいものだと思っていたがさほど苦しくはなく逆に楽しいものだった。