第7章 私の学校生活
先生が来て朝礼が始まる。
先生がプリントを配り何やら話をしている間征十郎はいつもより目を細めずっとワタシのほうを見ている。
『…どうしたの…?』
先生が話しているため少し小声で征十郎に話しかける。征十郎は
「いや、別に…」
そう言いながらワタシの方へ手をのばす。
その手は机の上に置かれたワタシの手にかかる。
「梓が他の男子に笑いかけるのが気にいらなくてね…。」
征十郎の手はワタシの手に重なるとその指の一本一本を撫でていく。
ワタシは征十郎と目を合わせるのが恥ずかしくなりその手の方へ視線をやる。
手を引っ込めようとすると征十郎に手をグッと握られ
「こうして触られてるの、嫌?」
とクスリと笑う。
ただ手を握られているだけなのになにかイケナイことをしているような気分になる。
それは征十郎の触りかたのせいでもあった。指を撫でる際もただすりあわせるだけでなく軽く爪を立てたり指の腹で触れるか触れないか際どいラインで触ってくる。
くすぐったいようなそわそわともどかしい気持ちになる。それはまるで愛撫されているようだった。
その征十郎の手からワタシは逃げられずにいた。
「梓の手は柔らかくてすべすべで…ずっと触っていたくなる。」
自分でも顔がどんどん赤くなるのがわかった。
からかってるんだ。握っていた手を離し先ほどのようにまた指をなぞりはじめた。
征十郎が指の間に軽く爪をたて滑らせると
『…ん。』
ワタシから小さな息が漏れると同時に腕がビクッと動く。それには自分でも驚いた。不覚にも指先をなぞられただけというのにそこに愛撫の気持ちよさを感じてしまったからだ。
息が漏れたことによりワタシの顔はより赤くなる。征十郎はワタシの反応をみてクスクスと笑っていた。
「……気持ちいい?」
どんどん征十郎のペースにもっていかれる。
「はい、じゃぁ朝礼終わりーー!」
征十郎がそちらに反応しその隙にワタシは手を引っ込めた。
「あぁ………でも、まぁ教室ではあまり大胆なことはできないからね。とりあえずここまで…か。僕を不快にさせたお仕置きだよ。」
征十郎は何事もなかったかのように次の授業の準備を始めた。