第6章 青い空
ワタシの元彼が灰崎ということには驚きを隠せない。そしてなんでまたよりによって灰崎なのか、とも。
(あれだけ輝かしいメンバーに囲まれていながら灰崎と付き合うとはよほどの偏屈者だったのかワタシは…。)
そう考えていたが元彼ということを知ると今日屋上でされたことも納得できた。
『……あ。王子様のキスってそういうことか。』
「王子様のキス?なんのことだ?」
頭の中で色々考えているとふっと心の声が漏れてしまっていた。
『あ、ううん。なんでもない。』
「この話やめようか。今の梓には関係のないことだし。」
兄がそういうとまた話はたわいもないものに変わり夕食をすませた。
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夕食後お風呂に入り今度はちゃんと明日の授業の教科書などの準備をした。
携帯がピカピカと光っているのに気がつき開くと征十郎からの返信がきていた。
《明日の授業は眠くならないよう早く寝るように。》
真面目だなぁと思い返信しようと思ったが受信した時刻から大分時間が経っていたのでまぁいいか、と携帯を閉じる。
が、あ!!と思い再び携帯を開きカチカチとメールをつくり送信ボタンを押す。
《水崎です。征十郎に教えてもらいました。今日はありがとうございました。》
今日自分を慰めてくれた虹村さんにだけお礼を伝えておきたかったのだ。それをおえるとベッドに横になる。
明日も早いからな、、。
ふかふかの布団に包まれその暖かさにホッとしまたこちらで長い夜を過ごした。