第6章 青い空
ーーーーーバッ!!!
『ッッハァッ…ハァッ。』
苦しさで勢い良く起き上がるとそこは先ほどいた家のソファーの上だった。
(ゆ……め…?……そっか私寝ちゃったのか。)
「梓!どうした!?大丈夫か!?」
乱れた呼吸を整えながら振り向くとそこには兄の姿があった。
『お兄ちゃん……』
「怖い夢でもみたか?…さっき帰ってきたら梓がソファーで寝てたからさ、夕飯作って出来たら起こそうかなって思ってたんだよ。」
キッチンのほうから美味しそうな匂いがしてきた。
「今日は梓の好きなシチューだよ。もう出来るからごはんにしようか。ってまだ制服のままか。…着替えておいで。』
兄に言われ私は自室へ向かう。
(…あれ誰の声だったんだろう。………“ワタシ”?)
私は先ほどの夢を思い出していた。あの声の主が“ワタシ”だと感じたのはなんとなくてあったがほぼ確信に近い状態であった。
セットアップに着替えリビングに戻るとテーブルには美味しそうな夕食が並んでいる。
『…シチューにごはん?』
テーブルの上のシチュー皿の横には白米のよそられたお茶碗がおいてあった。
「あ…梓いつもシチューのときはごはん食べてたから、つい。パンに変えるわ。」
兄がお茶碗を自分のほうへ下げキッチンへ向かおうとした。
『あ、ううん!ごはんでいい!』
動こうとした兄を引き止め自分の席に着く。
『おいしそう!!いただきます』
と言うと兄も手をあわせいただきます、と言った。