第4章 奇跡の出会い
『ありがとう、紫原くん』
「敦でいーよー。梓ちんずっとそう呼んでたしー。」
へへへーとその大きな体格には似合わない可愛らしい笑顔でこちらを向いてくれた。
『じゃぁお返しにこれ。』
ワタシは自分のトレーに乗っていた唐揚げのお皿を手にし
『一個あげる!』
と敦の前に差し出した。
「わーい。ありがとーー。ほんとに俺のこと忘れてるー?梓ちんいつもとおんなじー。優しいから大好きー!」
私の差し出したお皿から一つ唐揚げをとるとまたニコニコと笑ってくれた。
「そろそろ食事をしてもいいかな?」
この一連の流れは全て征十郎の前を通してして行われていたので征十郎は座ったまま動かず自分のトレーに手を付けることが出来ずにいた。
あ、ごめんと差し出した皿を引き自分のトレーに戻すと
「俺にも一個くれよ。」
後ろから手が伸びてきたと思ったらお皿からまた一つひょいっと唐揚げがつままれた。
あっと思い振り返るとそこには二人、それもまた私の知っている人物が立っていた。
「おい青峰、行儀が悪いのだよ。」
色黒の濃い青色の短髪の男子と眼鏡をかけた緑色の髪の男子。
どちらも長身だ。