• テキストサイズ

【黒バス】夢の中で【R-18】

第3章 ここはどこ、私は誰?




病院での生活も数日が過ぎた。


その間父親と兄は何度も病院に足を運んでくれた。


言い換えるとその数日間、“ワタシ”は“私”に戻ることはなかったのだ。


そして今日は退院の日。

父は仕事で来れないらしく兄が一人で迎えに来てくれた。

そうして医師や看護師に見送られワタシは病院を後にした。

この数日間で兄とはうまくコミュニケーションがとれるようになっていた。

「梓!退院だしお祝いでなにか美味しいものでも食べに行こうか!」

それに続き

「何が食べたい??」

と聞いてきた。

焼き鳥つまみながらビールがのみたい。

などと12歳のワタシには言えるわけがなく

『お兄ちゃんの食べたいのでいーよ。』
と控えめに返した。

「梓はいつもそう言うんだよね。…て覚えてないよね。梓はねいつも俺に選ばせてくれてたんだよ。ごはんにしても今の家にしても。もう少しワガママ言ってくれていいのにな。」

携帯を片手になににしよっかなーっと呟きながら二人で歩いていた。

「焼肉にしよっか!梓が好きなとこ!」

と言うとワタシの返事を聞く前にどこかへ電話をかけはじめた。

「……。あ!水崎ですけど。あ、はい。楓です。今から妹と二人でお伺いしてもいいですか?……はい、お願いします。」


電話を切ると手を引かれ今の 来た道を戻る。

『焼肉??』

「うん!焼肉!!梓、そこに行くといつも嬉しそうに食べてくれるから!ちょっと距離あるからタクシー乗ろっか。」

と病院前にあるタクシー乗り場へと向かった。
/ 157ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp