第13章 灰色のキミと【※】
二人で部屋に戻りまたベッドに横になる。
祥吾の伸ばした腕に頭をのせ背を向け横になる。
私の背中に後ろからピッタリと祥吾がくっつき抱きしめられる。
脚を私の脚に絡ませ胸元に手をやり抱き枕状態になる私。
その手の上から自分の手をそっと重ねた。
「ずっとこーしててーな……」
自分の後頭部に祥吾の息遣いを感じた。
その言葉には返事を返さずただ重ねた手をギュッと握った。
段々と眠たくなり薄れゆく意識のなかおやすみと呟く。
「…おやすみ…梓……」
後頭部にチュっとされ祥吾の温かさを感じながら私は眠りについた。
ーーーーーーーー。
〜♪〜〜♪
ヴヴヴーヴヴヴ
電子音とそれに連動したバイブの音に反応し目が覚める。
うっすらと目を開けるとカーテンの隙間から陽の光が差し込んでいて朝だということがわかった。
腕まくらをしていた腕は寝ている間に抜かれていてそのかわり私が降ろされたその腕に抱きついているという状態だった。
〜♪〜〜♪
携帯の着信はまだ続いている。祥吾の携帯だ。
『ん…しょご…けいたいなってる…』
寝起きの声でそう言い祥吾の身体を小さく揺する。
「…ん…いーよ…ほかっとけ……』
眠そうな声をした祥吾がそう言って私の身体に抱きついてくる。
〜♪〜〜♪
〜♪〜〜♪
鳴り続ける携帯の音で段々と意識がはっきりとしてきた。
「………っだよ!!しつけーなー。」
いつのまにかベッドの隅に置かれていた携帯に手を伸ばしその画面を目を細めてみるとッやっべ。と呟いた。だが電話に出る様子はない。
…誰?と聞くと虹村さん、と祥吾が言った。
『…出なよ?』
「出たら部活出なきゃいけねーじゃん。まぁもう遅刻だけど。それに昨日部活途中で抜けてきてっから行ったらまじあの人に何されるかわかんねーよ……。」
昨日終わるのが三軍より早かったのはそういうことか…とそこで納得した。
『でも出なかったらさらに怒られちゃうんじゃない?』