第13章 灰色のキミと【※】
食器片付けて置くから風呂入ってくれば?とすすめられご丁寧に下着の替えとタオルを渡されると私は浴室へと向かった。
お風呂から上がりタオルで髪を拭きながら祥吾の部屋に入ると祥吾がベッドで漫画を読みながらゴロゴロと横になっていた。
バッと起き上がり立ち上がると全身鏡の前までいきちょいちょいと手招きをしたのでそちらに向かう。
座って、と言われその場に座ると後ろからヴァーッと風が吹き頭へとあたる。祥吾が髪を乾かしてくれるようだ。
美容院で乾かされるのとは違い祥吾にされているということに心地良さを感じ少しうとうととしてくる。瞼をとじ首かゆらゆらと左右しはじめると風がやみオッケー!と祥吾に背中をぽんッと叩かれた。
その声にはッと我に返る。
すると祥吾が後ろから抱きついてきた。
「同じシャンプーなのにお前が使うとスッゲーいい匂い。」
私の頭に顔をあてそう言った。少しの間そうしていると祥吾が私をぱっと離した。
「なぁ……梓のほうからギュッてして?」
子供のように甘えてくる祥吾。
(…甘えんぼ属性だったのか?)
その祥吾が可愛く思えたのでクルッと振り向き祥吾との間をつめて彼の背中に腕を回した。
彼も同じように私の背中に腕をまわす。
「もっと強く。」
と言われ腕に少し力を入れた。彼には足りなかったようでもっとと言われのでもう少し力を強める。だが彼はさらにもっとと言ってくる。これでもかと言うくらい強く抱きしめた。
「全然弱ぇーよ。ただ…
…梓にこうされてるときが一番幸せ。」
その声はとても甘く優しいものだった。
胸がドキドキとする。目の前にいる祥吾がとても可愛く愛おしく感じた。
彼の顔を見上げ自分から軽くキスをする。そしてまたすぐに彼の胸に顔をうずめた。
「そーゆーことすんなって…。」
祥吾は私に腕を回したまま立ち上がり私を抱き上げるとベッドまで運んだ。
そのベッドの端に私を座らせテーブルの上にあったリモコンを押すと部屋の電気が消える。