第7章 アリス祭
----がばっ
え!?え!?
いきなり視界が空に向かった
思考回路が追いつかないまま、唇が誰かの唇と重なった
『な・・っ棗・・っ?なななななに!!』
「うるせぇわめくな」
ぎゅっと抱きしめられる
「最初お前は敵だと思っていた」
『棗・・っ』
だからあんな冷たかったんやな
「誘拐事件のお前の行動と今までのお前の言動、あいつを恨んでるように感じる」
あかん・・・・
『棗・・あかん。あの人の恐ろしさ知ってるやろ・・?
今は逆らえへんけど、あたしには計画があるねん。
棗には・・早くほんまの事・・言いたい』
真っ直ぐに彼の目を見て言った
10歳とは見えない程、凛としているその瞳
私のこと誰にもばれちゃいけなくて、初校長に監禁までされて調教されたのに・・棗には言っておかなくちゃいけない気がした
『棗!!踊りにいこう!!』
「嫌」
『え・・・いやいや今のこのタイミングはさーおっけじゃない????』
「2つ目の命令考えた」
『・・・・・はい、なんでしょー棗さん』
「今度はお前からキス」
『な・・っこの変態!!!!』
もう知らん!!
行こうとした瞬間、無理矢理引き寄せられキス・・
『んん・・っ』
「まんざらでもない顔すんなよ」
『な・・・っしてへんわアホ!!』
ふと目が合う
吸い込まれそうな程、透き通った瞳
目を閉じた
棗も棗の妹も蜜柑も、私の計画が進めばきっと助かる
そっとキスをした
これは誓いのキス
「ふん・・っ襲うんじゃねぇよ変態」
ハッと笑みを浮かべながらダンス会場の方へ足を進める棗さん
今、笑った・・?
『って、あんたがしろ言うたんやろーーー・・っ』
私にも自然に笑みが浮かび、棗とダンスを踊りました
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