第2章 任務通達
「入れ」
『失礼します』
中に入ると、大きな椅子に腰かけている初校長の姿
柚香先輩の呪いをかけられた前と後とでは、全くといって良いほど別人、、背の大きさも違うし貫禄も薄れている
ただ、こんな子供の姿になってからも、この冷たい眼は同じだ
「今日はアリスストーンは作れたか?」
『はい。今日は調子が良く、いつもより少し大きめに作ることに成功しました』
「見せてみろ」
『はい』
初校長の側へと近づき、手の平に乗せたアリスストーンを見せる
「お前のような明るく綺麗なオレンジ色だ」
『ありがとうございます』
----ちゅっ
顎をくいっと持ち上げられ、唇にキスされる
この人とのキスはもう何回、いや何十回、何百回されているんだろう
まるで一つの作業みたいに、、
恋人とするようなドキドキ感もなければ、恥ずかしさもない
この人だって一つの作業程度にしか思っていないはず
『入れておきます』
先ほど作ったアリスストーンを手に持ち、綺麗に整理整頓された棚の方に近づいていく
色んな箱があるが、あたしの箱はこの光沢がある薄いオレンジ色の箱
その箱を手にとり慎重に開け、先ほどのアリスストーンを並べる
これはあたしが直接治療できない時に使うアリスストーンのストックボックス・・おそらく他の箱の中には使えそうなアリスストーンを中に入れているのであろう
あたしがこの時間に呼び出されるのは、直接治療をする為だ
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