第5章 誘拐事件

----コンコン

『なーつーめー入るよー？』


「次はお前かよ」


ドアを開けると病服を身に纏い上半身を起こし、こちらを見据える姿


相変わらず目つきは悪いけどいつもの覇気がない気がする



『元気ー？？ルカぴょんとパーマきたー？』


ふんっと目を窓の方に背ける棗さん


否定しないってことは来たんだな・・
怒らないってことはいま機嫌よい？


ルカぴょんと会えたから嬉しいんやろな




『お見舞いに来たよ！』


「来なくていい」


『そんな事言わんとさ～』


「帰れ、うぜぇんだッゴホッゴホッ」


『だ、大丈夫！？』


明らかに風邪でもなく喉に詰まったとかでもない咳の音




「あっち行け」


しんどそう・・こんなしんどくなるまで任務に行かされてるん・・？きっと身体の疲労からであろう




『ちょっと・・見せて』


嫌がってはいたけれど、半ば強引に棗の身体に手を当て再生できる箇所を探ってみる



『！！！！』


再生できる場所が・・ない・・？
これって・・まさか・・寿命を縮めるアリス！？




「やめろっ」


パシンっと手を払われ睨まれた
こんな小さな子がアリスのせいで縮む寿命と闘ってるっていうん・・？




















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