第12章 暴走
「部屋に戻らねぇのかよ」
『こんな格好やから・・みんなが寝た頃に戻ろうかな思って・・それに・・小さくなれんし・・』
そんな体力・・考えれない
歩くだけでも精一杯なのに・・力なんて使えない
だから誰にも見られるわけに行かないんだ
--ぐい
え・・!?
いきなり棗が私の前へとかがみ、わたしを背負った
いわゆるおんぶ状態・・
『ちょ・・っお、重いから!!』
「重い」
『当たり前やん!降ろして!』
「黙ってろ」
そう言ってこの木を登っていく
軽々しくジャンプして寮に一番近い場所まできた
なんて奴・・戦闘能力がズバ抜けているっていうのも納得がいく身のこなしだ
「つかまってろよ」
『え・・?ひ・・っ』
わたしを背負ったまま寮の屋根へとジャンプし、ベランダへと飛び降りた
ここ・・
ガラガラとベランダの窓を開け、中へと入る
ベットへと降ろされる
『棗の部屋・・?』
「何か文句あんのか」
黙れという威圧感あるオーラを放ちながらこちらを睨んでくる棗さん・・
そうか、棗はスペシャルの階級やからベランダがあるのか・・
『いえ、アリマセンなつめさん』
「とりあえず着替えるか
・・俺の服入るのか・・?」
大人の姿のわたし
いやー・・ちょっと厳しいな・・
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