第12章 暴走
『勝手に・・こんなんしたら・・』
「勘違いするな、校長の命令だ」
そうか・・コイツは命令でしか動かないんだった
こんな現状から解放してくれるコイツが・・今・・救世主に見えてしまうなんて・・よっぽどだ
『・・・・』
立ち上がりドアを目指した
まともに歩こうとすると、全身に激痛が走る
ゆっくりと負担のないように寄りかかりながら歩いていく
「死ななくてよかったな・・」
『・・・、あんたが連れてきたくせに』
「また少し若返っていただろう?
その事についての焦りとお前に対しての苛立ち・・ストレスを感じているのだろう
お前が責任を取るべきだった」
『・・・・』
ギンッと思いっきり睨んでからドアをでた
ふとポケットを見ると、瞬間移動のアリスストーンは砕けていた
きっと最後の鞭によって破壊されたのであろう
『若返りのアリスストーン・・』
一番大事なこのアリスストーン・・内ポケットに入れていたからか無事だった
仕方がない・・歩いて帰るしかないか・・
外はとても寒い
ボロボロになった制服を着替える場所もなく、仕方なくこの格好で歩く
もうすっかり外は暗く、こんな時間に外を歩いている人も居ないから目立つことはないだろう
この寒さが傷口にしみる・・痛い・・
歩きながら涙が溢れてきた
何故こんなことをされなきゃいけないのだろう
『・・柚香先輩と・・出たらよかったんかな・・』
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