第5章 Battle5 戦力補充
「そ、そうだ。私ね、新しい服欲しいの! 付き合って!」
「明日ね? 今日、僕が腕を振るってあげるから」
だって、このぶんじゃ当分外食なしですし。
まだ行きたいお店とかいっぱいあるのに!!
しょうがない、こっそり抜けだして行こう。
「あぁ、くりちゃん。ゲームの機械は何個買った?」
「……とりあえず、20個買ったぞ」
な、なんでそんなに。
置き場所あるかなぁ?
「ほら、恵ちゃん。よかったね。これで、ゆっくり夕飯の支度ができるよ?」
「そ、そうだね!!」
皆で外食するの好きなんだけどなぁ。
みっちゃんは、そうじゃないみたい……。
いや、でもみっちゃんの手料理が嫌ってわけじゃない。
楽しみだよ?
でも、外食って家では楽しめない、選べる楽しさがあるじゃん……。
こうして、時間がきたので家に帰ることに。
すれ違いで、姉さん一行と鉢合わせしちゃって……。
「あれ、姉さん。エルが居ないね?」
「――あぁ、自分達でギルドを作ることにしたの」
「そうなんだ……」
「そ、それで……、よかったら、セレナも一緒に……」
「あぁ、それだけど、ごめんね。僕らもギルドを作るんだ。そして、ギルドバトルで優勝するよ!」
それを聞くと、姉さんは寂しそうに笑う。
「そっか……、そうよね。優勝するの、楽しみにしてるから」
じゃあねーって皆で手を振って別れる時に、姉さんの独り言が聞こえた。
"もっと、早く来ればよかった" って。