第3章 Battle3 まず、生活の基盤を整えよう
「野菜もいっぱい買ったし、今夜はすき焼きもいいよね!」
「あっはっはっは、すき焼きかー。今夜は豪華だな!」
「いや、まだ勝ってはいないからね」
「……ふん、俺は勝手にやる」
そういう倶利伽羅は、肉の表示から一つも視線を動かさない。
皆、買い物袋を持って戦ってるのに、疲れた様子もなさそうだ。
この後、お預かりセンターに送らないとなぁ。
そうして、気がつけば対戦者の一方側が出てくる。
先に出てきたのは、あの剣士だ。
疲れた表情だけど、笑顔は崩してない。
その後から、男と女の子供、そして奥さんが出てくる。
――親子参加か。
「お疲れ様です」
僕は、笑顔で笑う。
「あ、ありがとうございます」
剣士だったパパさんは、照れたように笑いを返してくれた。
「いやー、ああいうのはよくわからなかったわー」
「でも、面白い!! 僕あの機械欲しい!!」
「はいはい、この後買ってあげるからね」
「なちもー」
「はいはい」
親子は、4人仲良く手を繋いで去っていく。
残されたのは、挑戦者の僕ら。